
持続可能なモビリティ社会の実現に向けて、世界をリードするトヨタ自動車様。
誰にとっても魅力ある職場をつくろうと、オフィスリノベーションを目指すチームによるプロジェクトの一環として、工場に隣接するオフィス内にキャンピングオフィスを導入されました。
会議や休憩時にフラットなコミュニケーションが生まれやすいよう、リラックスできる空間や雰囲気を自分たちでつくり、また意識的に変え続けていくことを大切にされています。
どのような狙いを持ってキャンピングオフィスを採用されたのか、さらに導入後の活用方法やこれからの展望について伺いました。
お客様:トヨタ自動車株式会社
車両品質部 車両品質整備課 近藤 慎太郎様
(担当:スノーピークビジネスソリューションズ HRS事業部 伴 崇史)


社員が思い描く「魅力的な職場」を、自分たちでつくる
---オフィスリノベーションのきっかけとキャンピングオフィス導入の目的を教えてください。
リノベーションの発端は2023年末ごろ、「魅力ある職場をつくろうチーム」という名称でグループチームが組まれ、オフィス変革のための活動が動き出したところからです。
会社として「働きやすい」「選ばれる職場」を目指すための改革の一環として、従来の堅苦しいオフィス環境を打破し、キャンプ風のリラックス空間を導入しようという狙いがありました。
従来のオフィスの雰囲気を変え、社員が自分たちで職場をつくる実感を持てるようにすることも目的の一つでした。

若手社員の「やりたい」を何よりも大切に育てる
---リノベーションの実施にあたってどのような点に注力されましたか?
若手メンバーのセンスや意見を積極的に取り入れることを重視しました。
オフィスチェアの選定、新しいロッカーの設置、服装や防寒着の変更、BGMの導入、さらにはメンバー個人の提案によるエアロバイクの設置など、各自が自分の意見や希望を盛り込んで実行に移していきました。
これまでとは異なる進め方として、今回は若手の意見を吸い上げて実現するプロセスを大切にして、上司側の意識変革も促しました。リーダーは主に社内の調整やサポート役に徹し、若手が主体的に活動できる体制となっています。


オフィスを手づくりする過程が、チームを育てていく
---キャンピングオフィスにはどのような効果を感じられていますか?
私たちは、キャンピングオフィスという環境が持つ力を借りながら、私たちの働き方そのものを変革しようと試みています。また、キャンプ好きなメンバーの発案もあり、自然の中で仕事をするような雰囲気を目指しています。
その狙い通り、椅子や机を自分たちで選び、運び、設置することで、これまでよりも職場への愛着や所属意識が高まったのではないでしょうか。それに、従来の仕事のスタイルとはかけ離れた環境が、新しいアイデアやコミュニケーションの促進といった自由な風土づくりに寄与していることも体感しています。
実際にリノベーションを進める中で、プロジェクトメンバー内では業務と並行して新しい取り組みを行うことへの戸惑いや懐疑的な声もありましたが、実際に利用した社員からは「自分たちの困りごとが解決されて嬉しい」といったポジティブな声が上がりました。

環境の力を活かして、働くマインドに変化を起こす
---今後、キャンピングオフィスをどのように活用していくご予定ですか?
たとえば社内でモルックを行うなど、既存の枠にとらわれない活動や、部門を越えたコミュニケーションの促進ができればと考えています。その裏には、物理的なオフィスの可変性を活かして、組織的な壁をなくそうという意図があります。自分たちで従来の固定観念を打破し、仕事に遊び心を取り入れられる環境を実現させていくつもりです。
今後はハード面の変化だけでなく、社員のマインドセットや働き方の意識改革を重視し、誰もが自由に使える「公園」のようなオフィス空間にしたいですね。組織や役割の壁を越えて交流できる職場づくりや、若手が主体的にリーダーシップを発揮できる環境づくりも今後の課題です。
今後は、より多くの社員が当事者意識を持ち、柔軟な発想で新しい職場文化をつくっていくことを期待しています。
